中古マンションをリノベーション
ここ数年、中古マンションのリノベーション物件への関心が急速に高まっている。新築マンションを購入するよりも安価で、自分のライフスタイルに合った住まいを手に入れられることが主な理由のようだが、そもそもリノベーションとはどういうものなのだろうか。
リノベーションは、海外では”リモデル”と言われることが多くて、古い物件の外だけ残して、中はすべて刷新してしまうことを言います。
よくリフォームと混同される方がいますが、リフォームは壊れた部分を直し、機能的に元のパフォーマンスに戻すというのが一般的な定義。ふすまが壊れたら直す、壁紙が破れたら直す。新築の状態に戻すのがリフォームです。一方、リノベーションは、中をまっさらにすることによって、新しい付加価値空間に仕上げるというのが設計思想。ターゲットも違えば、住み心地も違う。耐久性も違えば、性能も達う。建物自体が持つバリューを新しいものにすべて刷新するのがリノベーションです
リノベーション物件とは
リノベーション物件は、その優れたデザイン性と住み心地に目がいきがちだが、付加価値が加わることによって物件自体の競争力が高まり、資産としてのバリューも上がるところがポイント。
これからは、資産性を意識して賢く不動産と付き合っていくことが必要な時代。重要なのは、居住者が満足できることはもちろん、さらにより多くの人によって魅力的であること。そのためには、市場の強いニーズを生み出す付加価値空間であることが大切です。
『どうしてもこの物件に住みたい!』と多くの人に強く思ってもらえる物件ならぱ、安定的かつ長期的に家賃収入が見込めるでしょう。資産価値が高く、市場のニーズが強い。そして、それが継続する。これがリノベーションでめざすべき姿だと考えています。
リノベーションの恩恵
この本来的な効果以外にも、中古物件のリノベーションには新築物件では得難い恩恵があるという。ずばりコストパフォーマンスだ。
新築物件は、新築プレミアムと言われるように、”新築”という部分だけの価格に応じて家賃が設定されています。市場相場では10万円ぐらいでも、新築というだけで12万円になってしまう。”単に新しい”という付加価値だけですからね。
でも、リノベーションでそれ以上の付加価値を付けることができれぱ、市場価格に近い家賃設定で、さらにデザイン性に優れた物件を提供することができます。これは所有者にとっても、居住者にとっても大きなメリットと言えるでしょう。
賃貸を前提にしたリノベーション
また、個人の居住目的ではなく、賃貸を前提にしたリノベーションの場合は、仕上がりのコンセプトもポイントになるそうだ。
世の中のデザイン物件には、いろいろなジャンルのものがあります。ラグジュアリーがあれば、ナチュラルテイスト、ポストモダンもある。そのなかで、意識しているのは、クラシカルでレトロ。中古物件なのですから、やはりその特性を活かしたものでなければ意味がないと考えています。古さのなかにある良さ。”味”といってもいいのかもしれません。
リノベーションされた中古物件
こうした考えに基いてリノベーションされた中古物件のなかには、入居者が20人待ちのものもあるという。同じ家賃、同じ平米でどちらにするかという選択ではなくて、その空間に住みたいという基準で選ばれる方が多いので、家賃が相場より若干高くても、それを理由にあきらめる人は少ないんです。
経済の先行きが不透明な現在、ラグジュアリーでアーバンな新築物件を手に入れられる人は限られるだろう。しかし、理想のライフスタイルを演出してくれる空間を求めるのであれば、新築プレミアムにこだわる意昧は皆無に等しい。
投資物件として購入してもよし、単身者が居住用とレて買ってもよし。中古マンションのリノベーション物件は、個の多様化が進む現在、マシンョン購入を考える人にとって最良の選択と言えるのかもしれない。